犬や猫に限らず、多くの人が飼っている「ペット」。
ペットを飼っている人にとっては、大切な家族の一員であり、無くてはならない存在ですよね。
しかし、ペットを飼う上で必ずやってくるのが、ペットとのお別れです。
近年、大切な家族を失ったときとまったく同じように、悲しみに暮れ続ける人が多くいらっしゃいます。
そのような状態を「ペットロス症候群」といいます。
そんなペットロス症候群に陥ってしまったとき、どのように克服していけばいいのでしょうか?
今回は、ペットロス症候群を克服するための方法についてお伝えしていきます。
ペットロス症候群とは?その症状とは?
ペットロス症候群とは、ペットを飼っている人であれば誰しもなる可能性のあるものです。
誰でもなる可能性があり、いつ治るかもわからない、そういった意味では「うつ病」と同じ心の病です。
ペットと過ごした時間が長いほど、愛情が深ければ深いほど症状が重くなりやすいのが特徴です。
ペットロス症候群は、ペットを「失う」ことで起こります。
失うこととはつまり死別を意味していますが、他人に譲る、突然いなくなってしまうことでも症状が現れます。
具体的な症状としては、
- 深い落ち込み
- 何にも関心や興味が持てなくなる
- 何にも楽しめない・喜べない
- 常にだるい
- 眠れない
- 食欲がない
- 集中できない
- やる気が出ない
- 自責感・罪責感
といったことがあげられます。
大切な存在を失えば、誰しもこのような症状が現れるのは当然のことです。
しかし、数か月もすれば、自分の中で整理がつき、だんだんと立ち直れるものですが、ペットロス症候群は2か月以上続いている場合にその診断がつけられます。
特に、半年以上も症状が改善しない場合には、医師への診察をお勧めします。
ペットロス症候群を克服するためには、まず「一人で克服しようとしないこと」が大切です。
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ペットロス症候群を克服するために原因を知ろう
ペットロス症候群は、軽度であれば誰しもが現れるものです。
大切な存在を失った悲しみは、誰しもがつらく感じることです。
大切なのは、どうやって克服していくかということです。
人がペットを失った悲しみから正常に回復するためには、5つの段階を踏んでいきます。
- 拒否 ・・・ペットを失ったことを認めない、事実ではないと思う事です。
- 怒り ・・・自分に苦しみを与えたことに対して漠然とした怒りを感じます。たとえば、ペットを担当した獣医師に対し、「もっと適切な処置があったのではないか」と怒りを感じることです。
- 交渉 ・・・悲しみを克服するために、何か神的なものに願掛けをすることです。「ペットを返してくれたら何でもします!」というような、神頼みに近い心理です。
- 抑うつ・・・無気力になった状態の事で、ポジティブな感情が強い悲しみに押されてしまい、菜にも楽しめない、「うつ」状態になります。
- 受容 ・・・ペットを失ったことを、動かしがたい事実として受け入れ、忘れかけていたポジティブな感情を徐々に取り戻していきます。
このように、人は段階を経ながら悲しみを受け入れて立ち直っていきます。
しかし、ペットロス症候群が続く場合、どこかの段階で感情が止まってしまっていたりと、正常に悲しみを受け入れることができなくなってしまっている状態が考えられます。
なぜ悲しみの感情を受け入れることができないのか、その原因を探るため、自分自身を見つめてみましょう。
- いままでペットに頼りすぎていませんでしたか?
- ペットに対して罪悪感を持っていませんか?
- 周りの人に悲しみを理解してもらっていますか?
この質問に自分自身を見つめながら答えてみましょう。
ペットロス症候群を克服するためのきっかけになるかもしれません。
ペットロス症候群を克服しよう
それではペットロス症候群を克服するために行っていきたいことをご紹介いたします。
自分自身がペットロス症候群であったり、周囲にペットロス症候群になっている人がいたらぜひ行ってみてください。
思いっきり泣く
悲しみが強いと、知らず知らず「泣く」ということをしていない方が多くいます。
人は泣くことによってホルモンの調節をしているとも言われています。
思いっきり泣くことは、悲しみを乗り越えるうえで大切なことなのです。
同じ体験をした人と話をする
「悲しい経験をしたのは自分だけではない」、「共感できる人がいる」と感じると、人は不思議と心が落ち着くことがあります。
もし周りに居なければ、インターネットで同じような体験をした人の話を読むだけでも効果があります。
ペットに手紙を書いてみる
失ってしまったペットに向けて手紙を書いてみましょう。
手紙に書くことによって自分の感情が整理され、なぜ悲しいかを確認していくことができます。
どうしてもペットに伝えたかった感情を思い切って書いてみましょう。
ペットとの思い出の品を見えないところに片づける
家にペットがいたそのままの状態にしておくと、いつまでも思い出して悲しみを引きずってしまうことになります。
気持ちを切り替えるためにも、思い出の品は見えないところへ片付けましょう。
病院でカウンセリングを受ける
どうしても立ち直れない場合は、早めに専門家の診察を受けましょう。
特に、自殺を図る可能性がある場合は、一刻も早く心療内科を受診する必要があります。
カウンセリングを受けるのは恥ずかしいと感じる場合は、まずは内科を受診し、医師から心療内科への受診を勧められれば素直に受診できる場合もあります。
ペットロス症候群を克服するために大切なのは、とにかく「誰かに話を聞いてもらうこと」です。
自分の悲しい気持ちを誰かに打ち明けることだけでも、克服への第一歩が踏み出せるのです。
決して「自分一人で克服しようとする」ことだけは止めましょう。
おわりに
ペットを飼う上で、ペットの方が先に寿命が尽きてしまうことは、どうしても避けることができません。
ペットロス症候群は誰でもなる可能性があり、避けられないものとして受け入れる準備をしておきましょう。
悲しみが訪れた時には、決して一人で抱え込まず、誰かと悲しみを共有しましょう。
いつまでも悲しんでいては、愛するペットも安心して眠ることができません。
大切なのは、ペットロス症候群になっても、きちんと克服することです。