年に1度のお盆の季節がそろそろやってきます。
そのお盆に、身内の方や親しくしていた方の「初盆」を迎える、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、「初盆の香典や表書きってどうすればいいの?」とお悩みの方も多いはず。
正しいマナーを知らずに、相手に失礼があってはいけませんよね。
そこで、押さえておきたい初盆の香典や表書きについてご紹介いたします。
そもそも初盆とは?
そもそも、初盆とはいつのことを指すのかというと、「故人の忌明け法要が終わってから、最初に迎えるお盆」の事を「初盆」と呼びます。
「忌明け法要」とは「四十九日の法要」のことです。
亡くなってから四十九日は、あの世とこの世をさまよっている状態で、四十九日たってようやくあの世へ旅立っていきます。
無事あの世へ旅立つことができれば、喪に服している期間が明けます。
そこから、初めてこの世へ帰ってくるお盆の事を、「初盆」としているのです。
一般的に、お盆は毎年の8月13日から16日。
これから考えると、その年の6月25日までに亡くなった方が、今年「初盆」を迎えます。
6月25日以降に亡くなった方は、来年のお盆に初盆となります。
しかし、この四十九日の法要を、家族や僧侶の都合で早める場合もあります。
その場合は、6月25日以降に亡くなられた方でも、亡くなったその年に初盆を迎えることになります。
また、一部地域ではお盆を7月13日から16日としているところもあります。
神式の場合は忌明けは五十日。
宗教によっても変わってきますので、故人の初盆がいつになるかは、相談して決めるとよいでしょう。
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初盆の香典の金額相場は?
香典とは、故人に対する供養の気持ちを表すものです。
初盆の場合のみ、線香やお花の代わりに、遺族に現金を手渡します。
現金だけではちょっと・・・という場合には、お菓子や果物など、個人の好物だったものを「お供え物」として持参するとよいでしょう。
地域によっては、お供え物だけで済ますところもありますので、周囲に確認するとよいでしょう。
お供え物と合わせて持参する場合は、香典の金額は少なくて構いません。
故人とどれだけ親しかったかによってその金額は変わってきますが、おおよそ5000円~10000円が相場と言われています。
また、初盆法要でみんなで集まって食事をするかどうかでも変わってきます。
以下は、一人で持参した場合の金額です。ー
≪香典の相場≫
- 自分の父母・・・10000~20000円 + 兄弟で提灯かお供え物3000円程度
- 自分の祖父母・・・10000円 + お供え物3000円程度(食事なし)5000円 + お供え物3000円程度
- 自分の兄妹・・・10000円~20000円 + お供え物3000円程度(食事なし)5000円~10000円 + お供え物3000円程度
- 友人の父親・・・5000円~10000円(食事なし)5000円
自分の父母の場合は兄弟と相談、祖父母の場合は父母と相談して決めるとよいでしょう。
友人・知人の場合は、総額が10000円を超えないように、現金、もしくは現金+お供え物を持参するのが相場です。
表書きは薄墨で書く、のし・のし袋のマナー
最近ではのし紙やのし袋のマナーはずいぶん簡略化されています。
しかし、一度は正式なマナーを知っておきたいものです。
表書きは「薄墨」で書くのがマナー。
なぜ薄墨なのかというと、諸説ありますが、一般的には「涙で墨が薄くなった」ことを示すためと言われています。
故人を偲ぶ意味が込められているのです。
普通の墨でも構いませんが、薄墨の方がより丁寧です。
香典やお供え物は、訪問する際に持参します。
お盆の期間中に訪問するのが通常ですが、訪問先の都合もありますので、確認したうえで都合の良い日に訪問した方が失礼にならないでしょう。
もし、お盆中に訪問できない場合は、その旨を伝えて別の日に訪問することも検討してください。
香典やお供え物の郵送は、失礼にあたる場合がありますので、避けた方がよいでしょう。
のし・のし袋の水引は、「藍銀」か「双銀」で、できれば蓮絵が入っていないものを選びます。
または、「黄銀」で5本か7本のものを選びましょう。
水引は「結び切り」か「鮑(あわび)結び」のものを選びます。
表書きは、品物や用途によって変わります。
≪表書きの書き方≫
- お供え物・・・「御供」
- 香典・・・「御仏前」、「御霊前」
- 初盆の提灯・・・「御提灯代」
- 僧侶へのお礼・・・「御布施」
- 僧侶への交通費・・・「御車代」、「御足衣料」
表書きのマナーは、訪問先の信仰によって異なります。
もし、訪問先の信仰が分からない場合には、神式やキリスト教でも使える「御霊前」と書いておけば安心です。
お供え物は、故人の好物が分かっていれば故人の好物、他は線香やお菓子などの「消えるもの」を選びます。
訪問した際は仏壇に手を合わせて故人を偲びましょう。
みんなで食事をする場合は、思い出をみんなで語り、お酒を酌み交わすのが一番の供養になります。
大切なのは故人を偲ぶ心
初盆を迎えるにあたり、遺族は大小さまざまな苦労を乗り越えてきています。
あの世へ旅立った故人が、年に1度この世へ帰ってくるお盆。
きちんとマナーを守ることも、故人を偲ぶ心から来るものです。
地域によっては、一般的なマナーとは違うことも多くあります。
香典や表書きについては、疑問に思うことがあれば周囲の方に聞いてみるのも大切です。
分からないままにしたことが、思わぬほど失礼になってしまうこともあります。
ぜひ正しい知識を身に着けて、故人を偲ぶ思いを伝えましょう。