乳幼児の感染率が高いことで知られている「ロタウイルス」。
2012年に猛威を振るったノロウイルスとよく似た症状を引き起こします。
ロタウイルスに感染しやすいのは、生後6か月~2歳までの乳幼児です。
しかし、このロタウイルス、実は大人にも感染するのです。
大人が感染した場合、どのような症状を引き起こすのかご紹介しましょう!
そもそもロタウイルスとは?
ロタウイルスは、非常に強い感染力を持つウイルスで、体内に少し入っただけでも感染するといわれています。
さらに増殖力も強く、あのノロウイルスのなんと約100万倍もあるのです。
感染経路は主に経口感染で、ウイルスの付着した食器や食べ物から感染します。
感染した患者の便の中に多く、症状が出る2日前から、症状の治まったあとしばらくはウイルスがが検出されます。
発症時期は1月~4月、ノロウイルスの流行が終息した後に流行します。
その症状を一言でいうと、「感染性胃腸炎」です。
2日~4日間の潜伏期間を経て、腹痛、下痢、嘔吐といった症状が見られます。
場合によっては初期の段階に発熱することもあります。
ロタウイルスが原因となっている症状の大きな特徴は便の色にあります。
「お米のとぎ汁のような白っぽい便」が見られた場合、ロタウイルスを疑います。
症状は1週間~2週間ほど続き、自然に治癒していきます。
しかし、ロタウイルスは、下痢による脱水症状やけいれん、肝機能異常などの合併症を引き起こす場合があり、重症化すれば死亡するケースも報告されています。
ロタウイルスによる症状が見られた場合には、すぐに医療機関へ連絡を取り、適切な対応を受けましょう。
ただし、感染症の疑いがある場合には、具合が悪いからと言ってすぐに病院へ駆け込むのは止めましょう。
感染を拡大させる恐れがあるため、まずは医療機関へ電話をして、医師などから指示を受けてください。
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ロタウイルスが大人が感染した場合の症状は?
ロタウイルスは主に乳幼児に感染しやすいのも特徴の一つですが、大人にも感染します。
大人への感染経路は子供の便や嘔吐物からの二次感染です。
空気中にもウイルスは漂っているため、小さい子供を持つお父さんやお母さんは必然的に感染する確率が高くなります。
大人が感染した場合の症状は、乳幼児と同じく「腹痛、嘔吐、下痢」です。
しかしこの症状は、乳幼児と比べると軽症の場合が多く、下痢症状が2~3日続き、大半は3日~1週間以内に体調も回復します。
軽症のため、気づかずに周りに広めてしまうこともあるので、少しでも異変を感じたら医療機関に相談しましょう。
ロタウイルスに感染している場合、ノロウイルスと同様、感染拡大を防ぐために会社等は欠勤した方が良いでしょう。
ロタウイルスの感染を防ぐためには、子どもの便や嘔吐物の処理の際には、必ず使い捨ての手袋やマスクをして行い、処理したものはビニール袋などで密封しましょう。
感染力の強いロタウイルスは、通常のアルコール消毒などでは殺菌・除菌ができません。
トイレや嘔吐物の清掃には、ノロウイルスと同様、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を使用しましょう。
また、ロタウイルスに感染して、下痢症状がある場合には、「下痢止め」の服用はNG。
下痢止めの服用で、かえってウイルスをより長く体内にとどまらせることになってしまいます。
ビオフェルミンなどの整腸剤で、腸内環境を整えるようにしましょう。
また、子どもも大人も、下痢による脱水症状を防ぐため、水分補給をこまめに行うようにします。
食事は、すりおろしたリンゴやおかゆなど、消化の良い食事を摂取し、胃腸に負担をかけないようにします。
しっかりと予防接種を受けよう
ロタウイルスは潜伏期間が非常に短く、局地的に発症する感染症であるため、体内に免疫が正常に構成されにくいウイルスです。
免疫が構成されていないということは、何度もかかる可能性が高いということになります。
回数を重ねるたびに症状は軽症になる傾向がありますが、油断は禁物です。
乳幼児のほぼ全員が、5歳までに1回はかかるといわれるほど感染力の強いロタウイルス。
現在では、地方自治体でロタウイルスの予防接種を受けることができます。
重症化を防ぐためにも、乳幼児への予防接種はしっかりと行いましょう。
子どもへの感染を防ぐことで、大人への感染も防ぐことができます。