最近テレビで取り上げられたことで注目されるようになった「えごま油」。
認知症の予防効果があるということで、スーパーで品薄状態が続くなど、今話題の油です。
でも、えごま油はなぜ認知症予防に効果があるのでしょうか?
今回は、えごま油の認知症予防効果や効果的な摂取方法ついてお伝えします。
えごま油が認知症を予防する!その秘密とは?
認知症とは、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積することによって起こる、記憶障害の事を指します。
その他、さまざまな病気やストレスなどが原因で、記憶障害が起こり、最悪の場合自分の氏名も分からなくなってしまう怖い病です。
認知症になってしまう原因と対処法はまだまだ分かっていないことが多く、年々患者数が増加しています。
しかし近年、認知症を予防するためには、日ごろの生活習慣を改善していくことが非常に重要なことが分かってきました。
認知症は記憶に関わる脳の神経細胞が、受け止めきれないようなストレスで死滅してしまい、再生ができなくなってしまうことが、大きく関わっていると考えられています。
認知症を予防するためには、この脳の神経細胞を減らさないようにすることが大切なのです。
そこで登場するのが、えごま油に含まれている、「αリノレン酸」です。
えごまとは、青じそに似たシソ科の植物で、その種子からとられた油が「えごま油」です。
このえごま油には「オメガ3脂肪酸」という、不飽和脂肪酸が含まれています。
αリノレン酸は、オメガ3脂肪酸の一つです。
このαリノレン酸を摂取すると、体内で脳に大切なEPA、DHAといった栄養素に変わります。
EPA、DHAは、青魚などの限られた食材にしかない栄養素です。
この栄養素は、脳の弱っていた神経細胞を活性化し、死滅するのを防いでくれる、とても重要な栄養素です。
よく青魚を食べていると認知症が予防できるといわれていますが、それはこのEPAとDHAが関係しているのです。
この栄養素が、脳の血流を良くし、神経の伝達をスムーズにしてくれることによって、認知症予防に効果があるのです。
では、なぜえごま油がいいのかというと、それはαリノレン酸の含有量にあります。
厚生労働省が勧めるαリノレン酸の1日の摂取量は、2gです。
しかし、この量を魚で摂ろうとすると、サバなら半身、イワシなら2尾を毎日摂らなければならないということになります。
毎日この量の魚を食べるのは、正直大変ですよね。
しかし、えごま油なら、1日小さじ1杯程度を摂れば十分に補えるため、その手軽さから注目されているのです。
ただし、オメガ3脂肪酸は、熱に弱いため、サラダにかけるか、そのまま飲むかして摂取します。
非常にさらっとしていて臭みがないので、料理の邪魔をしません。
野菜の酢の物や、スムージーにまぜてもおいしくいただけます。
えごま油のほかには、アマニ油も認知症予防に効果的とされています。
認知症予防だけじゃない!えごま油の効果とは?
えごま油のすごいところは、
認知症予防だけではありません。
- 動脈硬化予防
- 不整脈予防
- 視力向上
- 中性脂肪低減
- 血中コレステロール低減
- 血圧低下
- 精神安定
- 記憶学習能力向上
- 抗アレルギー、抗炎症
- 抗腫瘍作用
- ダイエット
などなど。
これだけでも相当健康によさそうですが、特に注目したいのは、「抗腫瘍作用」です。
これはつまり、えごま油が「がん予防」にも効果があるということなのです。
がんの原因は、さまざまなことがあげられますが、その一つとして「リノール酸(n-6系脂肪酸)の摂りすぎが考えられています。
リノール酸を主成分にした油は、価格が安く、加工食品や外食産業などで多く使われています。
例えば、マーガリンやショートニング、紅花油・大豆やコーン油などのサラダ油、ひまわり油などです。
菓子類やパンなど、外食や市販品を購入していると、これらの油を意識せずに大量に摂取してしまっています。
リノール酸を大量に摂取すると、がんを発生させるリスクが大幅に上昇するため、欧米ではこれらの油の摂取を制限する働きが盛んになっています。
このリノール酸の大量摂取による弊害を抑制する働きがあるのが「αリノレン酸」です。
さらに、リノール酸の摂りすぎは、アレルギーを起こしている主要危険因子となっていることも明らかになってきています。
えごま油に含まれるαリノレン酸は、がん予防だけでなく、アレルギー体質を改善にも効果があるのです。
大切なのは毎日摂取すること
毎日欠かさず摂取することで、さまざまな病気のリスクを軽減してくれる「えごま油」。
普通の油と違って少々価格が高くなっていますが、健康には変えられませんよね。
テレビで紹介されて以来、店頭からなくなる程の人気を得ている油ですが、ぜひ手に入れて、毎日の食事に取り入れたいですね。
とはいえ、「えごま油を摂っていればいい」、というものでもありません。
健康的にバランスのとれた食事と、適度な運動を心がけるようにしましょう。